「占いサイトで高額な課金をしてしまった」「霊感商法まがいの手口で不安を煽られ、不要な商品を契約させられた」など、占いに関する金銭トラブルでお悩みではありませんか?この記事を読めば、占い詐欺の典型的な手口から、被害に気づいた直後にとるべき具体的な行動、そして返金請求までの全ステップがわかります。結論として、占い詐欺の被害金は、消費者契約法などの法律に基づいて返金請求できる可能性が高いです。泣き寝入りする前に、この記事で解説する消費者センターや警察、弁護士といった専門家への相談方法と、返金に不可欠な証拠の集め方を確認してください。法律のプロが、あなたが取るべき最善の道を具体的に示し、返金への一歩をサポートします。
もしかして占い詐欺?知っておきたい典型的な手口と事例
「少しだけ相談するつもりが、気づけば高額な料金を支払っていた」「言われるがままに商品を買ってしまったけど、本当に効果があるのだろうか…」。占いの利用後にこのような不安や後悔を抱えているなら、それは悪質な占い詐欺の被害に遭っているのかもしれません。
占いそのものは、悩みを聞いてもらったり、人生の指針としてアドバイスをもらったりする有益なサービスです。しかし、その心の隙につけ込み、不当に金銭をだまし取ろうとする悪質な業者や占い師がいるのも事実です。ここでは、占い詐欺の典型的な手口と実際の事例について詳しく解説します。
占い詐欺の定義と占いとの境界線
そもそも、どこからが「詐欺」になるのでしょうか。健全な占いと占い詐欺を分ける境界線は、「人を欺いて(だまして)、不安を煽り、不当に高額な財産を支払わせる」行為があるかどうかです。刑法上の詐欺罪に該当する可能性があり、単なる占いサービスの範疇を大きく逸脱します。
以下の表で、健全な占いと占い詐欺の疑いがあるケースの違いを確認してみましょう。
| 項目 | 健全な占い | 占い詐欺の疑い |
|---|---|---|
| 目的 | 相談者への助言やカウンセリング | 高額な鑑定料や物品販売で利益を得ること |
| 料金体系 | 時間制や鑑定ごとなど、料金体系が明確 | 料金が不明瞭。「あと少し」と引き延ばされ、気づけば高額になっている |
| 鑑定内容 | 可能性や選択肢の一つとして未来を示唆する | 「絶対に不幸になる」「これをしないと命に関わる」などと断定的に不安を煽る |
| 物品販売 | 基本的には行わない。販売する場合も、あくまで選択肢の一つとして提示する | 「これを買わないと不幸から逃れられない」と、高額な商品の購入を強要する |
占いサイトやアプリで急増する悪質な手口
スマートフォンが普及し、誰でも手軽に利用できる占いサイトや占いアプリは、占い詐欺の温床となりやすい環境です。非対面であるため、相手の素性がわからず、巧妙な手口に騙されてしまうケースが後を絶ちません。
- ポイント引き延ばし型
「あなたの運命を変える重要な言葉を伝えるまで、あと少しです」「金運を上げるための最終段階に入りました」などと期待を持たせ、鑑定をわざと引き延ばす手口です。1通ごとにポイントを消費させるサイトで多く見られ、利用者は「ここまで課金したのだから」という心理が働き、高額な料金を支払い続けてしまいます。 - サクラ(打ち子)利用型
鑑定しているのが本物の占い師ではなく、アルバイトの「サクラ(打ち子)」であるケースです。マニュアルに沿って利用者の悩みや願望に合わせた思わせぶりなメッセージを送り、親密な関係を演出して課金を促します。特に恋愛成就を願う相談者に「彼はあなたのことを想っている」などと期待させ、やり取りを続けさせる手口が典型的です。 - 高額な祈祷・アイテム勧誘型
チャットでの鑑定後、「あなたの願いを叶えるには特別な祈祷が必要です」「波動を高めるパワーストーンを購入しませんか」などと、鑑定料とは別の高額なサービスや商品へ誘導する手口です。数十万円から数百万円もの高額な請求に至ることもあります。
対面や電話占いにおける霊感商法まがいの手口
古くからある対面占いや電話占いでも、悪質な手口は存在します。特に、相談者の不安を過度に煽り、高額な契約を結ばせる「霊感商法」まがいの手口には注意が必要です。
- 不安を極限まで煽る
「あなたには悪い霊が憑いている」「このままではご家族にも不幸が訪れる」「先祖の因縁が原因だ」などと、科学的根拠のない話で相談者の不安を極限まで高めます。閉鎖的な空間である対面鑑定では、その場の雰囲気にのまれて正常な判断ができなくなってしまうことがあります。 - 高額な除霊・祈祷への誘導
極度の不安状態に陥らせた後、「私が除霊してあげます」「運気を変える特別な祈祷をしましょう」と持ちかけ、数十万円から時には数百万円もの法外な料金を請求します。一度支払っても「まだ完全に祓えていない」などと理由をつけ、何度も追加料金を要求されるケースも少なくありません。 - 効果のない高額商品の販売
「持っているだけで運気が上がる特別な数珠」「悪霊を退ける壺」といった商品を、市価とはかけ離れた高額で売りつけます。実際には何の効力もない安価な品であることがほとんどです。
これらの手口に一つでも心当たりがあれば、すぐに占い師やサイトとの連絡を絶ち、次のステップに進むことを検討してください。
占い詐欺に気づいたら最初にやるべきこと
「もしかして、これは占い詐欺かもしれない…」と気づいた時、多くの方は不安と焦りで冷静な判断が難しくなります。しかし、被害を最小限に食い止め、今後の返金請求を有利に進めるためには、この瞬間の初動が極めて重要です。感情的になって相手と連絡を取り続けることは、さらなる被害を生む可能性があります。まずは深呼吸をして、これから解説する2つのステップを落ち着いて実行してください。
占い師やサイトとの連絡をすぐに絶つ
詐欺を疑った時点で、占い師や占いサイトの運営者との一切の連絡をすぐに絶つことが鉄則です。相手は言葉巧みにあなたを引き止め、追加の支払いをさせようとしたり、脅迫めいた言葉で口封じをしようとしたりする可能性があります。
相手からの連絡に一度でも応じてしまうと、「まだお金を払ってくれるかもしれない」と思われ、執拗な連絡が続く原因になります。不安な気持ちはわかりますが、相手にこちらの動揺を悟らせないためにも、以下の行動を徹底してください。
- メールやチャットアプリ(LINEなど)での返信を一切やめる
- 相手からの電話には出ず、着信拒否設定をする
- 占いサイトやアプリにログインしない(可能であれば退会手続きはせず、情報を残しておく)
相手との接触を完全に断ち切ることで、精神的な負担を軽減し、冷静に次のステップである証拠集めに集中することができます。
返金請求に不可欠な証拠を集める方法
占い詐欺の被害金を返金してもらうためには、「詐欺であった」という事実を客観的に証明するための証拠が不可欠です。証拠がなければ、消費者センターや警察、弁護士に相談しても、具体的な対応が難しくなってしまいます。相手に証拠隠滅の隙を与えないよう、気づいた時点ですぐに、かつ網羅的に証拠を保全しましょう。
やり取りの記録(メールやチャット)を保存する
占い師とのやり取りは、相手の悪質性を証明する最も直接的な証拠です。特に「このままだと不幸になる」「先祖の霊が苦しんでいる」といった不安を煽る言葉や、「除霊のため」「運気を上げるため」などと称して高額な金銭を要求された部分は重要です。以下の方法で、やり取りの全体がわかるように保存してください。
- スクリーンショット:スマートフォンやパソコンの画面に表示されているやり取りを、最初から最後まで全て撮影します。日時が表示されるように撮影するのがポイントです。
- テキスト・PDF保存:メールであれば、印刷機能からPDFとして保存したり、本文をテキストファイルにコピー&ペーストしたりして保存します。
サイト上のチャット機能などは、退会したり相手にブロックされたりすると閲覧できなくなる恐れがあります。相手に気づかれる前に、速やかにすべての記録を保全してください。
支払い履歴(クレジットカード明細など)を確保する
「いつ、誰に(どのサイトに)、いくら支払ったのか」を明確に示す支払い履歴は、被害額を確定させるための決定的な証拠となります。利用した決済方法に応じて、以下のものを確保・保存してください。
| 決済方法 | 確保すべき証拠 | 保存のポイント |
|---|---|---|
| クレジットカード決済 | カード会社の利用明細書(Web明細・紙の明細) | Web明細の場合は、該当箇所をスクリーンショットまたはPDFで保存します。 |
| 銀行振込 | 振込時の利用明細票、インターネットバンキングの振込履歴画面 | 振込先口座情報(銀行名、支店名、口座番号、名義)がわかるように保存します。 |
| コンビニ決済・電子マネー決済 | 支払い時に受け取った領収書やレシート、決済完了メール | 紛失しないよう大切に保管し、メールはPDF化しておくと安心です。 |
これらの証拠は、後の返金交渉や法的手続きにおいて、あなたの主張を裏付けるための生命線となります。少しでも多くの証拠を、確実に手元に残しておくことが、問題解決への第一歩です。
占い詐欺の相談先はどこ?状況に応じた適切な窓口
占い詐欺の被害に遭ったと気づいたとき、パニックになり「どこに相談すればいいのかわからない」と一人で悩んでしまう方は少なくありません。しかし、一人で抱え込まず、すぐに専門機関に相談することが解決への第一歩です。相談先は一つではなく、被害の状況や目的によって適切な窓口が異なります。ここでは、それぞれの相談先の特徴と役割を詳しく解説します。
まずは公的機関へ 消費者センター(188)への相談
占いサイトや占い師との間で金銭的なトラブルが発生した場合、まず最初に相談を検討すべきなのが「消費者センター」です。消費者センターは、商品やサービスの契約に関するトラブル全般に対応してくれる公的な相談機関です。
局番なしの電話番号「188(いやや!)」にかけることで、最寄りの消費生活相談窓口につながります(消費者ホットライン)。相談は無料で、専門の相談員が中立的な立場で話を聞き、今後の対応について具体的なアドバイスをしてくれます。例えば、事業者への連絡方法や、クーリングオフ、契約取消しの可否など、法的な知識に基づいた助言が受けられます。
また、状況によっては、相談員が被害者に代わって事業者との間に入り、和解の交渉(あっせん)を行ってくれることもあります。ただし、消費者センターのあっせんには法的な強制力はないため、事業者が交渉に応じない場合は、次のステップを検討する必要があります。
刑事事件化も視野に 警察への被害相談
占い師やサイト運営者から「不幸になる」「家族に危害が及ぶ」などと脅されて高額な金銭を支払わされた場合や、明らかに詐欺だと確信できる悪質なケースでは、警察への相談も有効な手段です。
相談は、最寄りの警察署の生活安全課などで行うか、緊急性のない相談であれば警察相談専用電話「#9110」にかけるのがよいでしょう。収集した証拠を持参して被害の経緯を具体的に説明し、被害届の提出を検討します。被害届が受理されれば、警察が詐欺事件として捜査を開始し、犯人の検挙につながる可能性があります。
ただし、重要な注意点として、警察の目的はあくまで犯人の検挙であり、被害金の回収ではありません。民事不介入の原則から、警察が直接「お金を取り返してくれる」わけではないのです。返金を求めるためには、刑事手続きとは別に、後述する弁護士への相談など民事での手続きが必要になります。
本格的な返金交渉は弁護士へ相談
「被害額が高額で、どうしても取り返したい」「相手方が返金交渉に一切応じない」といった場合には、法律の専門家である弁護士への相談が最も確実な方法です。
弁護士に依頼すると、被害者の代理人として、法的な根拠に基づいて相手方と直接交渉を行ってくれます。弁護士の名前で内容証明郵便を送付するだけでも、相手方がプレッシャーを感じて返金に応じるケースは少なくありません。交渉で解決しない場合でも、支払督促や訴訟といった法的手続きにスムーズに移行できます。
弁護士費用が心配な方もいるかもしれませんが、初回相談を無料で行っている法律事務所や、日本司法支援センター(法テラス)の制度を利用することで、費用の負担を抑えて相談することも可能です。何より、複雑で精神的負担の大きい返金請求手続きを専門家に一任できるメリットは非常に大きいと言えるでしょう。
以下に、各相談先の特徴をまとめました。ご自身の状況に合わせて、最適な窓口を選びましょう。
| 相談先 | 主な役割 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 消費者センター(188) | 消費者トラブルに関する助言・あっせん | ・無料で相談できる ・中立的な立場でアドバイスをもらえる ・和解の仲介(あっせん)をしてくれる場合がある | ・事業者への対応に法的強制力がない ・交渉が決裂する場合がある |
| 警察(#9110) | 詐欺事件などの捜査・犯人の検挙 | ・悪質な業者を刑事事件として立件できる可能性がある ・被害の拡大を防ぐことにつながる | ・民事不介入の原則から、直接的な返金回収は行わない ・証拠が不十分だと事件化が難しい |
| 弁護士・法律事務所 | 代理人としての返金交渉・法的手続き | ・法的な強制力を持つ手続きが可能 ・相手方との交渉を全て任せられる ・高額な被害でも回収の可能性が高まる | ・相談料や着手金などの費用がかかる(無料相談や法テラスの利用も可能) |
【インサイト法律事務所が解説】占い詐欺の返金請求 具体的な流れと方法
占い詐欺の被害に遭い、高額な料金を支払ってしまった場合でも、諦める必要はありません。証拠が揃っていれば、支払ったお金を取り戻せる可能性があります。ここでは、法律の専門家である弁護士が、占い詐欺の返金請求における具体的な流れと方法を、段階を追って解説します。
内容証明郵便で返金を請求する
返金請求の第一歩として有効なのが「内容証明郵便」の送付です。これは、「いつ、誰が、誰に、どのような内容の文書を送ったか」を郵便局が公的に証明してくれるサービスです。内容証明郵便を送ることで、相手方に対して返金を求める強い意思を明確に示し、心理的なプレッシャーを与える効果が期待できます。
文書には、契約の取消しを主張する根拠(例:消費者契約法違反)、返金を求める金額、支払期限、振込先口座などを具体的に記載します。これにより、後の裁判手続きになった際に「返還を請求した」という重要な証拠にもなります。個人で送付することも可能ですが、弁護士名で作成・送付することで、相手方が事態を重く受け止め、交渉に応じる可能性が格段に高まります。
相手方との交渉による解決
内容証明郵便の送付後、占い師や運営会社から連絡があり、返金に向けた交渉(示談交渉)が始まるケースが多くあります。相手方が返金に応じる姿勢を見せた場合、具体的な返金額や支払方法について話し合いを進めます。
しかし、悪質な業者は巧みな話術で言いくるめようとしたり、不当に低い金額での和解を提示してきたりすることが少なくありません。個人で交渉すると、精神的な負担が大きく、不利な条件で合意してしまうリスクも伴います。冷静かつ法的な根拠に基づいて交渉を進めるためにも、この段階から弁護士に代理人を依頼することをおすすめします。交渉がまとまった際には、後日のトラブルを防ぐために、必ず合意内容を記した「和解合意書」を作成しましょう。
支払督促や少額訴訟といった法的手続き
交渉が決裂した場合や、相手が請求を完全に無視する場合には、裁判所を通じた法的手続きを検討します。比較的簡易で迅速な手続きとして「支払督促」と「少額訴訟」があります。
| 手続きの名称 | 特徴 | メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|---|---|
| 支払督促 | 書類審査のみで相手に支払いを命じる手続き。 | ・手数料が安い ・裁判所に行く必要がない | 相手が2週間以内に異議を申し立てると、通常の訴訟に移行する。 |
| 少額訴訟 | 60万円以下の金銭請求を対象とし、原則1回の期日で審理・判決が下される手続き。 | ・手続きが迅速に進む ・弁護士に依頼せず本人でも進めやすい | ・請求額が60万円以下に限られる ・相手が望めば通常の訴訟に移行する場合がある |
どちらの手続きを選択すべきかは、被害額や相手方の対応、手元にある証拠の状況によって異なります。どちらも個人で手続き可能ですが、より確実な解決を目指すなら、弁護士に相談するのが賢明です。
訴訟(裁判)で返金を求める
支払督促に相手が異議を申し立てた場合や、請求額が60万円を超える場合、また、事案が複雑で少額訴訟になじまない場合には、最終手段として通常の「訴訟(裁判)」を提起することになります。
訴訟では、原告(被害者)側が、占いサイトの行為が詐欺や消費者契約法違反にあたることを証拠に基づいて主張・立証し、裁判官に判断を仰ぎます。訴訟は、準備すべき書類も多く手続きも複雑で、専門的な法律知識が不可欠となるため、弁護士への依頼が事実上必須となります。時間と費用はかかりますが、勝訴判決を得られれば、強制執行によって相手の財産を差し押さえるなど、強制的に返金を実現できる可能性が開かれます。どの手続きが最適かを見極めるためにも、まずは一度、法律の専門家にご相談ください。
占い詐欺の返金は可能?法律に基づいた請求の根拠
占い詐欺の被害に遭い、高額な料金を支払ってしまった場合、多くの人が「支払ったお金はもう戻ってこないのでは」と諦めてしまうかもしれません。しかし、占い詐欺で支払ったお金は、法律に基づいて返金を請求できる可能性があります。
占い師との間で結んだ鑑定や物品購入の契約は、その勧誘方法や契約内容に問題があれば、法律に則って取り消したり、無効を主張したりすることができます。その際に大きな武器となるのが「クーリング・オフ制度」と「消費者契約法」です。ここでは、どのような場合に返金請求が可能なのか、その法的根拠を詳しく解説します。
クーリングオフ制度は適用されるか
クーリング・オフとは、一度契約の申込みや締結をした場合でも、法律で定められた一定の期間内であれば、無条件で契約を解除できる制度です。ただし、すべての取引にクーリング・オフが適用されるわけではなく、占いの契約形態によって適用の可否が異なります。
自分から店舗に出向いて鑑定を受けたり、インターネットの占いサイトを自ら利用したりする「店舗販売」や「通信販売」には、原則としてクーリング・オフは適用されません。一方で、占い師が自宅に押しかけてきたり、電話で執拗に勧誘されたりした場合は、適用できる可能性があります。具体的な取引形態とクーリング・オフ適用の可否は以下の通りです。
| 取引形態 | クーリング・オフ適用の可否 | 具体例 |
|---|---|---|
| 訪問販売 | 可能(法定書面受領から8日間) | 占い師が突然自宅を訪問し、鑑定や開運グッズの購入を勧誘された。 |
| 電話勧誘販売 | 可能(法定書面受領から8日間) | 占い師から電話がかかってきて、高額な祈祷や長期鑑定の契約をした。 |
| 店舗販売 | 原則不可 | 占いの館など、自分から店舗に出向いて鑑定を受けた。 |
| 通信販売 | 原則不可(※) | 占いサイトやアプリ、電話占いを自分から利用した。 |
※通信販売にはクーリング・オフ制度はありませんが、サイト上に返品に関する特約(返品不可など)の表示がない場合、商品を受け取った日から8日以内であれば、送料自己負担で返品(契約解除)が可能です。
消費者契約法に基づく契約の取消し
クーリング・オフが適用できない場合でも、諦める必要はありません。「消費者契約法」があなたの強力な味方になります。消費者契約法は、事業者と消費者の間にある情報量や交渉力の格差を是正し、不当な勧誘による契約から消費者を保護するための法律です。
占い詐欺のケースでは、以下のような事業者の不当な勧誘行為があった場合、契約を取り消すことができます。
- 不実告知:「このままでは家族に不幸が訪れる」「先祖の霊が怒っている」など、事実と異なる情報(嘘)を告げられて契約した場合。
- 断定的判断の提供:「この鑑定を受ければ絶対に運気が上がる」「この商品を買えば必ず病気が治る」など、将来の不確実な事柄について、断定的な説明をされて契約した場合。
- 不利益事実の不告知:「効果がなければ追加で高額な祈祷が必要になる」といった、消費者にとって不利益となる重要な事実を、事業者がわざと伝えずに契約させた場合。
- 霊感商法に関する不当な勧誘:「あなたには悪霊がついている」「このままだと不幸になる」などと不安を煽り、相談の必要性があるかのように見せかけて、鑑定や物品購入の契約をさせる手口は、まさにこの条項に該当する可能性が非常に高いです。
これらの不当な勧誘行為によって結ばされた契約は、後から「取り消す」と主張することで、初めから無かったことにできます。その結果、支払った鑑定料や商品代金の返金を求めることが可能になります。ただし、この取消権は、騙されたと気づいた時(追認できる時)から1年間、契約時から5年間という時効があるため、早めに行動することが重要です。
二度と占い詐欺の被害に遭わないための予防策
占い詐欺の被害に遭ってから対処することも重要ですが、何よりも被害を未然に防ぐことが大切です。悪質な占い師や占いサイトは、人の心の隙につけ込む手口を巧妙に用いてきます。ここでは、二度と占い詐欺の被害に遭わないために、具体的な予防策と自己防衛の方法を詳しく解説します。
怪しい占い師や占いサイトの見分け方
すべての占いが詐欺というわけではもちろんありません。しかし、残念ながら利用者の不安を煽り、不当に高額な料金を請求する悪質な業者が存在することも事実です。以下に挙げるチェックリストを参考に、怪しい占い師やサイトを冷静に見極めましょう。
| チェック項目 | 危険な兆候の具体例 |
|---|---|
| 広告・宣伝文句 | 「100%当たる」「必ず運命が変わる」「未来を操作する」など、科学的根拠のない断定的な表現や過剰な煽り文句を使っている。 |
| 鑑定内容 | 相談者の不安を過度に煽り、「このままでは不幸になる」「悪霊がついている」などと脅して、高額な祈祷や除霊、関連商品の購入へ誘導しようとする。 |
| 料金体系 | 料金体系が不明瞭、または鑑定の途中で「特別な鑑定が必要」などと言って、次々と追加料金やポイント購入を要求してくる(引き延ばし行為)。 |
| サイトの信頼性 | 運営会社の情報(特定商取引法に基づく表記)が記載されていない、または住所が架空である。口コミや評判が極端に良いものばかりで不自然。 |
| コミュニケーション | 鑑定と無関係な個人情報(貯金額、資産状況、家族の職業など)をしつこく聞き出そうとする。やり取りがパターン化された文章のコピー&ペーストのように感じられる。 |
これらの項目に一つでも当てはまる場合は、詐欺の可能性を疑い、安易に利用したり個人情報を提供したりしないようにしてください。特に、不安を煽られてもその場で判断せず、一度距離を置くことが極めて重要です。
高額な鑑定料や商品を要求された時の断り方
もし占い師から高額な鑑定料や開運グッズの購入を迫られた場合、どのように断ればよいのでしょうか。相手は言葉巧みに勧誘してくるため、断ることに罪悪感を抱いてしまう方も少なくありません。しかし、あなたの財産を守るために、毅然とした態度で断る必要があります。
まず大切な心構えは、その場で即決せず、一度持ち帰って冷静に考える時間を作ることです。焦りや不安から「今すぐ決断しないと手遅れになる」と感じさせることが、相手の狙いです。以下のような断り文句を参考に、きっぱりと伝えましょう。
- 「ありがとうございます。ですが、今は必要ありません。」(シンプルかつ明確に断る)
- 「予算を大幅に超えているので、お受けできません。」(金銭的な理由で断る)
- 「一度持ち帰って、家族(パートナー)と相談してから決めます。」(第三者の存在を理由に即決を避ける)
- 「少し考えさせてください。もし必要だと感じたら、こちらから改めて連絡します。」(主導権を自分に取り戻す)
もし相手が引き下がらず、しつこく勧誘を続けてくる場合は、「これ以上しつこいのであれば、消費者センターや警察に相談させていただきます」と伝えることも有効な手段です。不当な要求に対して、あなたが罪悪感を抱く必要は一切ありません。自分の心と財産を守るため、はっきりと断る勇気を持ちましょう。
まとめ
本記事では、占い詐欺の巧妙な手口から、被害に遭ってしまった場合の具体的な対処法、そして返金請求の流れまでを網羅的に解説しました。占いサイトやアプリ、霊感商法まがいの対面占いなど、占い詐欺は誰の身にも起こりうる身近な問題です。
もし被害に遭ったかもしれないと感じたら、最も重要なのは、すぐに占い師との連絡を絶ち、やり取りの記録や支払い履歴などの証拠を確保することです。そして一人で悩まず、まずは消費者ホットライン「188」へ電話してください。状況によっては警察への被害相談も有効であり、本格的な返金交渉には弁護士への相談が不可欠です。
占い詐欺による高額な支払いも、消費者契約法などに基づき契約を取り消し、返金を求められる可能性があります。諦めてしまう前に、勇気を出して専門家へ相談することが、金銭的被害を回復するための第一歩となります。この記事で解説した予防策も参考に、悪質な占いからご自身の身と財産を守りましょう。